宮本 雄太

子どもをまんなかに
保育?教育環境をつくる

  • 宮本 雄太
  • MIYAMOTO Yuta
  • 連合教職開発研究科 准教授(こども学、幼児教育学)

Profile

東京都生まれ。国家公務員、保育士?幼稚園教諭として勤務の後、2017年3月、東京大学大学院教育学研究科修了、修士(教育学)。2020年3月、教育学研究科学校教育高度化専攻博士課程単位取得満期退学、2021年3月、博士(教育学)取得。2020年4月、福井大学連合教職開発研究科講師に着任。2024年4月から現職。
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言葉は、難しい

 保育の現場で勤めていたころ、子どもの育ちについて語り合う際には具体的な面白いエピソードで大いに盛り上がりました。しかし、実態や課題を理論の言葉で考察し始めると、その盛り上がりは途端に止まります。現場の出来事や課題に対して、お互いの実践知や理論知を紡ぎ語り合う言葉を持つことの難しさを痛感した瞬間です。このことが、幼児教育やケア論を学び、研究の道に進んだ動機の一つです。
 福井に来てからは、教育実践現場の先生と多くの協働を試みています。その一つが、郊外の公園を参加者全員の遊び場にする「Fukui Art Project」(ふくい?アート?プロジェクト)という取り組みです。地域に開かれた公園という場に、園児から高校生の子どもが多数集まり、絵を描いたり、段ボールで工作したり、自然物を使ったりして思い切り遊びます。大人も子どもの発想を尊重して活動を手伝いながら、「子どもをまんなかに」した保育?教育環境を子どもと大人がともに作っていくものです。子どもの表現や活動でのつぶやきは、常に大人をハッとさせてくれます。子どもの可能性に出会い直し、多様な大人がスクラムを組んで地域の子どもの育ちを支えていく、そんな子育てコミュニティの再建を企図しています。また、保育?教育の専門職が持つ知を地域に還元することで、保育?教育の循環性を高めたいと考えています。

 

さまざまな形態で保育?教育を学び実践します

向き合うことで支え広げる保育?教育の専門性

 乳幼児期は人生の原点です。その原点期からの育ちゆく過程やそのための環境のあり方を実践者との協働の中で解明したいと考えています。乳幼児期に携わる人は熱量が多い反面、自身の中で実践知と理論知を往還させることに課題を持つと感じます。乳幼児期という重要な時期を支える実践者に問い向き合い、自己内の省察や他者を介した省察と言語化の支援を通して、これからも専門職としての力量形成を支え続けていきたいです。
 教員を目指す学生には、子どもの言葉にならない思いに真摯に向き合いながら、子どもの学びに伴走していくことのできる専門的な力量を持ってもらいたいと考えています。

It's My Favorite!

休日には、地域に住む外国の方と観光地や名所巡りをしています。日本の紹介を兼ねて自分も楽しんでいます。