できたらいいな!を創る ロボティクス
- 工学部 准教授(ロボット、人工知能)
- 高橋 泰岳 先生
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きっかけは近未来のアニメ
「機動警察パトレイバー」というアニメを知っていますか?このアニメは、1980年代に放映され、ロボット工学が発展した近未来が舞台。工事現場や工場など社会インフラを支える現場で活躍するはずのロボットが事故や犯罪を起こし、それを取り締まる警視庁のロボットが活躍します。このアニメをきっかけにロボットに興味を持ち、研究室を選びました。人が操縦するのではなく、ロボットが自ら行動を学習していくためのシステムをどう構築したら良いのか、私自身が試行錯誤する日々でした。
現在のテーマは「インタラクティブ?ロボティクス」。人や環境と相互作用しながら、共生するロボットの実現です。従来のようにプログラム通りに動くだけのシステムではなく、環境に合わせて学習し、行動できるシステムづくりが鍵となります。
風を読む高空風力発電ロボット
新しいアプリケーションとして着目したのは、高空風力発電です。地上や洋上の風力発電は非常に大型で、地上の安定しない風では稼働率が下がります。そこで私たちは、より安定した強い風が期待できる上空を飛行しながら発電するロボットを考えました。
ロボットそのものが飛行することで電力を消費してしまっては意味がないので、「カイト」を応用した「高空風力発電システム」を開発しています。テザーと呼ばれるラインを地上から80メートルほど延ばし、幅4.5メートル、長さ2.1メートルのカイトで風車を持ち上げ、その回転を、別のテザーを介して地上の発電機に伝え、発電するシステムです。
カイトを空に揚げるために、GPSや高度計、風速計をつけてデータ収集を行いました。データを基に、風速が強いときにはカイトのテザーを地上で巻き取る力を弱め、カイトを上空に引き揚げ、風速が弱いときには巻き取ることで高度を維持するシステムを構築し、カイトを自律して飛ばすことに成功しました。
このほか、ロボットが相手の情動を読み取ったり、動きをまねしたり、さらに情動表現したときに人にどのような影響を与えるかを調べています。
ロボットは、「こうなったらいいな!」という想像力を働かせ、システムづくりを積み重ねる楽しさが尽きることのない分野です。まずは、未来の私の相手になり、介護してくれるロボット、その開発を急ぎたいですね。
今ハマっていること★
20年以上乗っていたクロスバイクが壊れたので、最近折りたたみ自転車を買いました。色と形と性能が気に入っています。