藤岡 徹

特別支援教育を通して
共生社会を目指す

  • 藤岡 徹
  • FUJIOKA Toru
  • 教育学部 准教授(特別支援教育)

Profile

1984年、栃木県生まれ。2007年、信州大学教育学部教育カウンセリング課程卒業。2009年、筑波大学大学院人間総合科学研究科修士課程修了。2012年同博士後期課程修了。2012年より、福井市のクリニック心理スタッフを経て、2014年福井大学医学部精神医学領域学術研究員、2016年同大中国足球彩票発達研究センター特命助教。2019年より現職。公認心理師、小学校教諭免許、養護学校教諭免許、保育士。
研究者詳細ページ

科学的な根拠に基づいた支援を

 特別支援教育は、その子にとっての目標を定めるところから始まります。その子の生活や今後の人生に何が重要か、その事柄はどうしたら習得できるかを考えるのですが、「生きるとは何か」「人間とは何か」「社会とは何か」そして「教育とは何か」などを深く考える必要があり、教育の原点といえるのではないでしょうか。今後まだまだ考えることもやるべきことも多く、奥深い領域の一つであると思っています。
 私の現在行っている研究に、視線計測があります。発達障害の一種である自閉スペクトラム症(ASD)の方は目などの社会的情報をあまり注視しないという特徴があります。これまでにASDのお子さんは10歳前後を境に目への注視率が下がることを明らかにしました。これには「不安」や「その他の物への関心が高い」など様々な要因が関連していると考えられ、その要因を1つ1つ明らかにしています。ASDの方は、目を見ると緊張がとても強くなってしまうので口や喉元を見ながら話すように、教育?福祉?医療などの臨床現場でアドバイスされることがよくあります。私の研究は、このような臨床的な取り組みに科学的な根拠を提供することにもなっています。これからもASDの方の日常生活に役立つ研究を進めていきたいです。

知識や経験を次の世代へ

 学生の頃、授業で福祉施設を訪ねたおり、障害のあるお子さんと接する楽しさとともに、支援にあたっての知識や考え方の重要さを感じました。教員免許取得を目指す学生には、特別支援や障害に関する知識に加え、多くの人の経験や思いも知った上で、一人ひとりを尊重して子どもたちと接してほしいと思っています。その姿勢を見た子ども達が大人になれば、お互いがお互いを認め合い、尊重し、障害の有無に関わらず人々が過ごしやすい世の中になると思います。そのためにも、特別支援教育の立場から教育?研究を進めていきたと考えています。

It's My Favorite!

昨年生まれた娘と出かけることが楽しみです。休日は、家族でいろいろな場所に出かけています。