島田 英和

研究室で身につけた
トライ&エラーのスピリットが
技術者としてのベースに

  • サカイオーベックス株式会社
    二日市工場技術課
  • 島田 英和さん
  • SHIMADA Hidekazu
  • 2013年度工学部生物応用化学科(現:物質?生命化学科)卒業

基礎研究の先に大きな成果が見えてくる

 大学時代は研究やサークル活動、アルバイトにも取り組み、とにかく忙しく過ごしていました。時間が足りなくて、いつも寝不足ぎみでした。
 4年次になってからは研究の毎日。生物化学研究室で遺伝子の発現を制御するエピジェネティクスという仕組みを研究していました。生物の多様性や、後天的な病気の要因解明に役立つ遺伝子工学の研究です。基礎研究ではデータを取り、分析する、の繰り返し。地道に研究を重ねることが大切であると学んだ1年間でした。卒業後、福井大のエピジェネティクス研究が成果を上げ報道されているのを知ったときは、とても誇らしく思いました。
 指導教員の沖昌也先生の授業はとにかく面白かったですね。「愛想笑いをする癖をなおしたほうがいいよ」と助言されたことも、今となってはいい思い出。きちんと指摘してくれる先生のありがたさを社会に出て実感しています。
 サークルはバレーボール同好会で、3年次からは代表を任せてもらいました。アルバイトでは塾講師や接客業なども経験。何をするにしても〝いろいろな人と関わること〞をテーマにしていました。

奥深い染色の世界で新しい技術の開発をしたい

 現在は繊維や産業資材を製造する企業で技術職をしています。主にユニフォーム用生地の染色を担当し、ラボで開発した試作品を工場での量産化へつなげる仕事をしています。生地染色は奥深い世界で、企業や使用する職種によって求められる風合いや色、機能もさまざま。お客様が求めるスペックを叶え、無事に量産化にこぎつけたときはやりがいを感じます。一つの製品を仕上げるまでは挑戦の連続で、壁にぶつかったときは基礎研究で培ったトライ&エラーの精神で乗り越えています。ものづくりはチームワークも求められますが、サークルやアルバイトで培った相手を尊重しながら調整する力が役立っています。
 大学時代にやり残したことがあるとすれば、英語の勉強でしょうか。学生のみなさんはチャンスがあれば留学など国際交流に挑戦してください。語学力は、自分の世界をもっと広げてくれるはずです。大学で新しいことに挑戦して得た経験は、社会人となっても大きな財産となりますよ。
 福井大学工学部は創立100周年を迎えたと聞きました。弊社は創立以来、共同研究を重ねてきましたし、社長を含め多くの卒業生が働いています。福井大学工学部が地元企業の発展に大きく寄与していることを実感しています。新しい100年を一緒に発展していければと願っています。私は技術者としては9年目なので、未知の領域がまだたくさんあります。しかし、そんな未知の世界に踏み込んでいくことを考えると、ワクワクもします。技術者としてもっと成長したい。地域や会社の発展するような新しい技術を開発することが私の夢です。

My memories

  • 卒業旅行は、福井から愛車を運転して九州まで行き ました。オランダの文化を知ることができた、長崎のハウステンボスにて