【再放送】2020年3月15日(日)、NHK総合(北陸三県、愛知、三重、静岡、岐阜)午後1:05~2:18 放送予定
見逃した方はぜひ、ご覧下さい!
NHK BSプレミアムで放送予定のドラマ「シューカツ屋」のロケが、福井大学文京キャンパスで行われた。この作品の舞台は、福井大学のキャリア支援課がモデル。学生たちを力強く支える“就活支援員”を描いたハートフルコメディーです。主人公で型破りな就活支援に打ち込む女性を水川あさみさんが演じます。
この日のロケは、就活支援室で就活生の内定をくす玉で祝うシーン。この就活支援室は実は総合研究棟Ⅰの2階に作られたセットです。主な出演者は、水川あさみさん(主人公?流川美野里役)、橋本じゅんさん(就活支援室長?叶野仁志役)、田上晃吉さん(美野里の同僚?長谷部徹役)、上川周作さん(就活生?植田直成役)、白石聖さん(就活生?花岡真美役)、篠田諒さん(就活生?内村佑役)。
白石 聖さん 神奈川県出身。高校2年のときに原宿でスカウトされ芸能活動をスタート。2016年6月にドラマ『AKBラブナイト 恋工場』(テレビ朝日)で女優デビュー。「白石聖のわたくしごとですが…」(文化放送)でラジオパーソナリティを務め、結婚情報誌?リクルート「ゼクシィ」12代目CMガールに起用され、映画『PRINCE OF LEGEND』でヒロインを演じるなど、さまざまな媒体で幅広い活躍をみせている。第15回「コンフィデンスアワード?ドラマ賞」新人賞(『絶対正義』)。 |
大川 祐一郎さん NHK福井放送局ディレクター。 2011年入局。リーマンショック直後の2009年に就活を経験。 |
白越 明さん 国際地域学部国際地域学科4年 |
高橋 和也さん 大学院工学研究科博士前期課程繊維先端工学専攻2年 |
大川祐一郎ディレクター(以下、大川)/ドラマ「シューカツ屋」の撮影は始まったばかりですが、白石さんはご自身の役についてどんな印象を持っていますか。
白石聖さん(以下、白石)/ドラマには、核となる就活生が三人登場するのですが、そのなかで、私が演じている花岡真実は、いい意味でキャラクターが強すぎない、どちらかというとリアリティに沿っているなという印象です。繊維工学科に在籍していて、将来やりたいことは考えているのに、どこでもいいから就職したいなんて言ってしまう。高橋さんは、実際に繊維工学を専攻しているんですよね。
高橋和也さん(以下、高橋)/そうです。繊維工学って、イメージしづらくないですか。
白石/顕微鏡を見ていそう。
高橋/当たってます、顕微鏡で糸を見ている。ものすごい細い繊維をつくったり、新しい素材を繊維化するための研究が主です。僕は繊維を扱っている企業に就職しようと考えて
いましたが、いざ就職活動がはじまると、白石さんが演ずる真実さんと同じように、とにかく内定をいただきたいと思う気持ちが強くなりました。自分のやってきたことと相反する仕事を選んでいいのかという葛藤は就活中、常にありました。
白石/私は実際には就活という道をたどってこなかったのですが、就活をしていた友達が、やりたいことと自分の適性がうまく合わないといった悩みを抱えているのを見ていて、シビアな部分があり大変そうでした。
高橋/結果的に僕は、繊維関係以外の企業に内定しているのですが、自分が学び研究してきた繊維工学を使って新しいものを生み出すという価値を見出せそうなところなので、僕にとても合っていると思っています。
白石/私、撮影の合間とかに、小道具でもある「就活BOOK」を読んでいるのですが、単純にこんなに分厚い就活用の参考書があって、大学での勉強や研究のほかに、さらに就
活という乗り越えなければならない壁のためにやることがこんなにあるんだと、社会の厳しさを感じています。
白越明さん(以下、白越)/私、就活がはじまったばかりの頃は何もわからなくて、とても戸惑いました。ノックの回数が決まっていたり、就活用のメイクがあったり……。就活ってこんなところからはじまるんだなと、正直、驚きました。自己PRでも、言いたいことはたくさんあるのに、それが初めは相手にぜんぜん伝わらなくて。
白石/私もすごく苦手なんです、自己PR。
さっきお話した、真実が使っている「就活BOOK」のなかにも自己分析や自己PRのページがあって、自分の強みは何かとか、短
所を長所に変えるだとか。オーディションのときなどに参考になるかなと思いながら読んでいました。でも、自分の強みって未だにわからない。この撮影期間に、そんな新しい強みみたいなものに出会えたらいいなと思います。
高橋/自分の良さって、なにかふわふわしているというか、自分自身が良さだと思っていても他の人から見たらどうなのか。僕は、いろんな企業の面接で、自分が強みにしていることが、プラスなのかマイナスなのかを、相手のリアクションや返答を見て判断するようにしていました。
白越/相手によって、微妙に受け取り方は違いますよね。私は、自分が満足することより、相手を満足させるというか、とにかく相手にわかるように話すことが大切だと、何回か面接を受けて気づきました。それは、これから仕事をしていくうえでも大切なことかなと思っています。白石さんは、女優として、社会人としてすでに働いていらっしゃいますが、働くことの意義ってなんだと思いますか?
白石/いやあ、難しい、なんだろうな。もちろ
ん、お金を稼ぐってこともあるかもしれないけれど、自分のやりがいとか、人生を送るうえでの楽しみみたいなものを、「見つけて」「育てていく」、そういう部分を養っていくものなんじゃないかなって思います。
白越/大川さんは、どうして福井大学の就職支援をモデルにしたドラマを制作しようと思ったのですか?
大川/福井県はいろんなナンバーワンを持っていますが、福井大学は国立大学のなかで12年連続で就職率がナンバーワンです。そこを題材にして、今の就活生の苦労を知ってもらい、まさに福井大学のキャリア支援課のような、学生一人ひとりに向き合った就職支援の現場を描きたいと思ったのが大きな理由ですね。
高橋/大川さんが大学生の頃は、そういった就職支援の体制はありましたか?
大川/私の通っていた大学にも就活支援室はありましたが、なかなか自分からアクセスしづらかったですね。そういった学生は、今でも多いと思うので、福井大学のように大学の側から学生にコミットしていくというのは、非常に大切な試みなんじゃないかなと思います。
白石/ドラマのなかの登場人物は、就活支援室のスタッフも含めて、全員がとてもいとおしいキャラクターたちなので、支援室は就職先を見つけることだけじゃなく、自分を肯定してもらえるような場所なんです。そういったことを感じられて温かい気持ちになれる作品になればいいなと思っています。実際に、就職活動をされている方々が、大学内にもたくさんいらっしゃって、そんな皆さんの背中をちょっとでも後押しできるような。就活生だけでなく、ご両親だとか、もちろん他の大学の皆さんにもぜひ見ていただければと思います。