平成28年度理化学研究所研修を実施

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福井県内外の高校1?2年生が参加する福井大学の「生命医科学フューチャーグローバルサイエンティスト育成プログラム “Fukui Medical High School(FMHS)”」の一環として、神戸市の理化学研究所多細胞システム形成研究センターで8月12日に研修を実施しました。最新の研究動向を学ぶことを目的に年2回予定する研修の1回目。高校生43名が参加し、iPS細胞等を用いた臨床研究など世界最高水準の生命科学を目の当たりにしました。

高校生たちは、本学ライフサイエンスイノベーションセンターの前田桝夫特命教授の引率により大型バスで、神戸ポートアイランドの理化学研究所(以下、理研)へ。広報担当者から組織体制や主な研究などの説明を受けた後、2名の研究者から講義を受けました。
視細胞プロジェクトの万代道子副プロジェクトリーダーは、目の難病「加齢黄斑変性」に対するiPS細胞を用いた網膜色素上皮移植について講義。患者自身の細胞から作ったiPS細胞を色素上皮へ変化(分化)させて移植する、世界初の研究を紹介しました。現役の眼科医でもある万代副プロジェクトリーダーは、眼科領域の診断学の進歩についても講義。高校生らは、基礎研究が作り出す技術が臨床の現場で応用される様子を、実例を踏まえて学びました。

続いて、染色体分配研究チームの北島智也チームリーダーが、卵子の基になる卵母細胞の染色体分配について講義しました。北島チームリーダーらは、染色体分配で起こるエラーの多さ、その頻度が母体の年齢とともに上昇している点に着目し、その原因を研究しており、染色体の持つ機能を「輪ゴム」「手」「はさみ」に例えて、染色体分配のメカニズムをわかりやすく説明しました。
北島チームリーダーは、福井県坂井市三国町の出身で、県立高志高等学校の卒業生。研究者になるために、「広く学んでください。Questionを見つける力を磨いてください。野心を持ってください」とメッセージを送り、母校の先輩の活躍に目を輝かせる高校生の姿がありました。

質疑応答では「iPS細胞から色素上皮をどのように作るのか」「染色体を結合させるタンパク質の劣化は、更新されないため機能しなくなるのか、遺伝的な変異によるものか、それとも酸化ストレスの増加によるものか」といった研究内容に突っ込んだ専門的な質問も出て、終了予定時間ぎりぎりまでレベルの高いやりとりが続きました。

その後、研究所内の見学や電子顕微鏡でiPS細胞を分化させ作成した網膜色素上皮シートなどを観察し、充実した研修となりました。
高校生らは、本日学んだことを取り入れながら、3月に予定されている発表会に向けて研究を進めます。

質問に答える万代道子副プロジェクトリーダー

質問に答える万代道子副プロジェクトリーダー

高校生らに講義する北島智也チームリーダー

高校生らに講義する北島智也チームリーダー


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│ 2016年8月12日 │
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