産学官連携本部では、実践的な人材や経営人材の育成を目的として「創業型実践大学院工学教育」を実践しています。今回、「技術系のマネジメント基礎」を履修する本学工学研究科博士前期課程の学生を対象に、海外貿易に関するビジネス実務を学ぶ「アジアビジネスキャンパス」を開催した。昨年にひきつづき2回目となる今年度は福井市、ジェトロ福井との協働により、フクビ化学工業株式会社営業開発統括部の方を講師に迎えた。
授業では、フクビ化学工業?の製品や経営理念、開発型メーカーの特徴をお話いただいた。授業の前には、「日本と中国の住宅の違い」を調べる課題も出され、講師の方からの説明で、中国における住宅事情と施工方法、販売方法の違いなどの理解をより深めることができた。後半には、フクビ化学?の製品を中国市場で展開する場合を想定し、消費者の心理、立場を考えながらグループディスカッションを行った。中間層をユーザーにしたグループは、家族をテーマに掲げ、子どもが転んでも衝撃が少ない床材の使用や掃除のしやすい施工を提案した。富裕層をターゲットにしたグループからは、プライベートな居住空間を意識し、模様替えを簡単にできる施工などが挙げられた。
また、授業の最後には、企業で必要とされる人物について3つの特徴を挙げていただいた。一つ目に内向き思考よりも外向き思考をもちながらグローバル社会でエネルギッシュに立ち向かうことができる人物、二つ目に柔軟な思考、自由な発想力を持つ人物、最後に経営者目線で利益に繋がる発想ができる人物を挙げられた。
この授業で学生は中国市場の現状を理解した他、技術に付加価値をつけ売り込んでいく方法などを学んだ。